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ロシアのウクライナ軍事侵攻に反対する声明

2022年4月22日 16:00

ロシアのウクライナ軍事侵攻に反対する声明

2022422

日本クリスチャン・アカデミーは、今回のロシアによるウクライナへの軍事侵攻を深く憂慮し、反対を表明します。去る224日に開始された軍事侵攻によって、これまでに両軍のみならず多くの尊い命が失われ、傷つけられています。失われてよい命は一つもありません。ウクライナはロシア領土に対する攻撃をしていません。ロシアがウクライナに軍事侵攻をすることは、不戦条約1条や国連憲章2条が禁止した他国に対する侵略戦争といえます。ロシアの軍事侵攻は明確な国際法違反であり、ロシアは軍事侵攻を即刻停止し、撤退するべきです。

プーチン大統領は2月24日の演説で核兵器の使用を示唆しています。また、生物化学兵器など非人道的な兵器がロシア軍によって使用されることへの危惧が高まっています。日本クリスチャン・アカデミーは、1945年8月に起きた原爆投下と、被爆を体験した国のキリスト教団体として、2度とこのような惨禍が繰り返されないことを願い、祈ってきました。また、ウクライナのチョルノービリ原発事故の惨劇を繰り返してならないことは言うまでもありません。ロシアも加盟するジュネーブ条約第一追加議定書には、原子力発電所など危険な工作物等への軍事攻撃を禁じています。この度のロシアによる軍事攻撃とそれに伴う核使用への言及は、世界を破滅の道へと導くことを暗示しています。ロシア軍の軍事侵攻が長期化することにより、核兵器の使用が現実化すること、さらに偶発的な攻撃を含め原子力発電所の惨事が繰り返されることを危惧し懸念します。ロシアがウクライナへの軍事侵攻を即刻停止し、直ちに撤退することを求めます。

戦争によって傷つき大きな犠牲を強いられるのは無辜の市民であり、脆弱な立場にある人々です。ロシアの攻撃を受けた都市、地域では、女性、子ども、障がい者、高齢者など弱い立場にあるおびただしい人々が、移動手段、食料、水、薬、救急施設などへのアクセスが断たれ、国内外に避難をしています。ロシアは、避難民に危害を加えることなく、国際的なNGOなどの人道的支援活動を妨げないことを強く求めます。ロシアはウクライナの領域内で開始した軍事作戦を直ちに停止し、一般市民への攻撃、虐殺を中止すべきです。

 戦争の歴史は武力の行使が新たな憎悪を生み、報復の連鎖を断ち切ることができないことを教えています。日本クリスチャン・アカデミーは、あらゆる武力行使に反対します。聖書は「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイによる福音書5章9節)、「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」(マタイによる福音書26章52節)と教えています。ロシアはウクライナへの軍事侵攻と戦争の拡大を一刻も早く止めることを求めます。日本クリスチャン・アカデミーは人と人との「はなしあい」を大切にし、対話することを活動の中心としてきました。軍事力や核兵器による抑止力に依拠しない対話によるウクライナとロシアの平和構築への努力を願って止みません。

                                      

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